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アルバム紹介


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ジェフ・ベック(JEFF BECK) 「フラッシュ(FLASH)」
1. アンビシャス / Ambitious
2. ゲッツ・アス・オール・イン・ジ・エンド / Gets Us All In The End
3. エスケイプ / Escape
4. ピープル・ゲット・レディ / People Get Ready
5. ストップ、ルック・アンド・リッスン / Stop, Look And Listen
6. ゲット・ワーキン / Get Workin
7. エクスタシー / Ecstasy
8. ナイト・アフター・ナイト / Night After Night
9. ユー・ノウ、ウィ・ノウ / You Know, We Know
10. ナイト・ホーク / Nighthawks
11. バック・オン・ザ・ストリート
/ Back On The Streets
ジャズとロックの融合、いわゆるフィージョン・シーンにおいて
ギター・インストとして成功をおさめたジェフ・ベック

次のステップへの道を模索していたジェフは、
80年代前半、数多くのセッションに参加している。
その中でも、84年、旧友?カーマイン・アピスを介して
15年ぶりの再会をはたした、ロッド・スチュワートとのセッションにて
カーティス・メイフィールドの「PEAPLE GET READY」をレコーディングすることになる。
ジェフはこの曲がお気に入りなようで、過去に何度かステージでプレイしていた。

このトラックの出来の良さに目を付けたのが、所属のエピック・レコードだった。
この曲を中心に久々のヴォーカル・アルバムを作ろうと画策し
その結果出来たのが、このアルバム「FLASH」である。

つまり、このアリバムはレコード会社主体で作られたアルバムなのである。

折しも、この時期エリック・クラプトンが、アルマーニを纏い
当時のヒット・メーカー、フィル・コリンズ等のバックアップ等で、
お洒落に、第一線で成功を収めていた。

エピックもジェフをクラプトンのように、スーパー・ギタリストの枠から
第一線でのスーパー・アーティストに持ち上げようとしていたのかもしれない。
このアルバムでの、アートワーク、PVの力のいれよう、
ジェフ自身のヘアー・メイク、ファイッション、全てにおいて
その意図が感じられる。

よくジェフに我慢できたものだ。

で、アルバム自体の内容は、
当時、マドンナ等のプロデュースで名を上げていた、
シックのナイル・ロジャース等をプロデュースに起用し、
最先端のテクノロジーを使った、打ち込み系のダンサブルな音源が作り上げられている。

その上にジェフのギターが乗っかっているのであるわけだが、
当然、あまりマッチしていないというか、とても浮いた感じになっている。

が、しかし、ジェフのプレイ自体は、ピックをほぼ使わなくなり、
アーミングとフィンガーピッキングで、驚かされるようなプレイが詰め込まれている。
また、新たな領域に進化した画期的な作品といっても良いほどだ。

残念ながら、アルバム自体は、商業的にも内容的にも成功したとは言い難いものとなったが、
ジェフの現在のプレイ・スタイルの礎が、このアルバムにあることは確かである。

ジェフは、このアルバムについてあまり語りたがらないという、
そもことからも、このアルバムに対してのジェフの評価が窺い知れる。

しかしながら、このアルバム制作の核となった、「PEAPLE GET READY」だけは、
素晴らしい出来になっている。
この曲が入っているだけで、聴く価値は十分あるほどである。