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アルバム紹介


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ジェフ・ベック(JEFF BECK) 「THERE AND BACK」
1. スター・サイクル / Star Cycle
2. トゥ・マッチ・トゥ・ルーズ / Too Much to Lose
3. ユー・ネバー・ノウ / You Never Know
4. ザ・パンプ / The Pump
5. エル・ベッコ / El Becko
6. ザ・ゴールデン・ロード / The Golden Road
7. スペース・ブギー / Space Boogie
8. ザ・ファイナル・ピース / The Final Peace
80年にリリースされた、3枚目のギター・インスト アルバム
前作「ワイヤード」が、ジャズ系ミュージシャンを従えたロック・アルバムとするなら、
本作は、もう一歩進んでカラフルでフリーフォーマットの
ハード・ロック アルバムと言っても過言ではない。

前2作に比べて、一般的には印象の薄い感のあるアルバムではあるが、
内容的には、決してそうではない。

前作から5年のインターバルでのリリースであるが、
実際は、2回のレコーディングを行っているので2枚分の内容を
一枚に凝縮したようなものである。

ヤン・ハマーのバンドとのツアー(LIVE WITH JAN HAMMERとしてリリースされている。)
の勢いそのままにヤン・ハマーを核として行われたレコーディングでは、
十分、アルバム一枚分の楽曲があったにもかかわらず、ジェフはリリースを見送り
スタンリー・クラークとのツアーに出てしまう。
このツアーで、一緒になったのが、その後長年ジェフの相棒となる、
キーボーディスト、トニー・ハイマンと
ドラマー、サイモン・フィリップである。

この2人の相性の良さを感じていたジェフは、
再度レコーディングに、この2人と挑むことになる。

アルバム全半3曲が、ヤン・ハマー色の楽曲
その他の曲がトニー・ハイマン色の楽曲ということになる。

また、このころからジェフのテクニックにも変化見られるようになる。
フィンガー・ピッキングの多様である。
現在では、ほぼピックを使わないジェフではあるが、
このアルバムぐらいからその兆候がうかがえる。
フィンガーピッキングとアーミングで
他には類をみないエモーショナルなプレイをする
現在のジェフの一端が垣間見えるのである。

いろんな意味で次のステージへの変化の兆しが感じられるアルバムである。
このアルバムのツアーは、ワールド・ワイドに展開され
ジェフのツアーとしては初めてといっていいほど興業的にも大成功をおさめている。
ここにギター・インスト作品が、3部作として一度幕を下ろしたといえるのではないだろうか。

ちなみにジェフは、ピックを使わなくなったのは、
”ヴァカンスで南の島にいった時、ピックを忘れていったので
そのまま指でひいている” とコメントしている。

いかにもジェフらしい!
でも、実際、本当のはなしかもしれない!